こんにちは、まぁです。
みなさんは強迫性障害という言葉を聞かれたことはありますか?
例えば「家の鍵を閉め忘れていないだろうか」とか、「コンロの火をつけっぱなしにしてないだろうか」とか、「手が汚れたので気になる」なんてことは、誰にでも経験があると思います。
この誰にでもある経験の度を超えたものが強迫性障害です。
しかし後でご説明しますが、この「誰にでもある」がやっかいなのです。
僕は強迫性障害に長く苦しめられた1人として、今回は強迫性障害の理解や苦しみについてお話しします。
Contents
強迫性障害とは
強迫性障害は不安障害という分類の1つとされています。
他にパニック障害(PD)や心理的外傷後ストレス障害(PTSD)などがあります。
人口の2.3%が生涯有病率と言われていますが、実際には気づいていない人や診断を受けていない人も多くいるのではないかと僕は思っています。
原因は、脳の伝達物質であるセロトニンの働きに異常が生じるため起こるということですが、これも実際にははっきり分かっていないようです。
うつ病と併発する人も多くいるようで、僕もその中の1人となります。
強迫性障害の症状
冒頭での説明にもあったように、誰もが経験したような当たり前のことや普通に考えれば意味のないことが、無性に気になって仕方がなく、その行動が度を超してしまっている状態になります。
具体的に症状を説明します。
不潔恐怖と洗浄
強迫性障害の代表的な症状の1つです。
汚れや細菌汚染の恐怖から必要以上に手を洗ったり、入浴したり、すぐに洗濯したりします。また、ドアノブや手すりなどを不潔だと感じて、怖くてさわれないこともあります。
加害恐怖
誰かに危害を加えたかもしれないという不安が離れずに、周囲の人に確認したり、事件や事故としてテレビや新聞に出ていないか確認したりします。
確認行為
戸締まりやガス栓、電気のスイッチなどを何度も確認したり、じっと見張ったりします。
僕も確認行為で悩まされ、家から出ることができず仕事に行けないことが何度もありました。
儀式行為
自分の決めた手順で物事を行わないと、恐ろしいことが起きるという不安から、どんなときも同じ時間や方法で仕事や家事などをしなくてはならなくなります。
僕がもっとも苦しんだ症状です。
朝起きる時間はもちろん、トイレに行きごはんを食べ終わるまでの時間や洗濯物を干す順番も決まっていました。
家を出てからも、職場までの道順だけでなく、道路のどちら側を歩くかやこの溝ぶたを踏まないといけないということまで決まっていて、その中の1つでもできないと不安と恐怖で立ちすくみ仕事に行けませんでした。
数字へのこだわり
不吉な数字または幸運な数字に対し縁起をかつぎ、度を超えたこだわりを持ちます。
僕の場合は、毎朝占いのラッキーナンバーを見て、何かにつけその数字にこだわり、他の数字に当てはまるとラッキーナンバーが出るまでその場を離れられなくなっていました。
例えば、職場の自席からトイレまで歩く際、歩数を数えてその末尾がラッキーナンバーにならないと、何度も引き返すということをしていました。
物の配置、対称性などへのこだわり
物の配置に自身のこだわりがあり、必ずその状態になっていないと不安になります。
強迫性障害の苦しみ、つらさ
常に不安に襲われる
強迫性障害は不安障害ですので、常に不安がつきまといます。
どの症状の場合も、息つくひまがなく過敏な状態が続くため精神的に疲弊してしまいます。
心労から体まで疲れる
張り詰めた状態が続き精神的にまいるのですが、そのうち体も疲れ切って悲鳴をあげてきます。
疲れて体が動かなくなりベッドから動けないということもしばしばでした。
僕の場合、動けなくなったことからうつの症状まで悪化しました。
周りから理解されにくい
僕はこれが1番つらかったのですが、周りの人から見ると「そんなのは誰にでもある」と思われ、なかなか理解してもらえません。
例えば鍵のかけ忘れが気になったり、儀式行為が乱れたりして仕事に行けなかったとします。
本人からすれば、不安で仕方なくなって、行きたい気持ちはあるのに仕事に行けないのですが、周りの人から見れば甘えているか仮病のようにしか見えません。
つらい思いの上に理解してもらえないのは二重の苦しみになります。
強迫性障害の治療
僕の経験上もそうですが、強迫性障害は放っておくと、どんどん症状がエスカレートしていきます。
ですので、なるだけ早くに適切な治療を受けないといけません。
強迫性障害の治療には、薬物療法と認知行動療法があります。
薬物療法では、抗うつ剤のSSRIでセロトニンの量を調整するのが一般的と言われています。
認知行動療法は、例として曝露反応妨害があります。
これは、例えば汚いと思う物をさわるなど、恐れたり避けたりしていた状況にあえてさらします。
その後、これまでしてきた手を洗う、つまり不安を打ち消そうとしてきた行為をがまんします。
僕の場合は、カウンセラーに「一度神社に行って罰当たりだと思うことをしてみてはどうですか」と言われました。
つまり不安になるということがあって、打ち消す行為をしなくても何も起こらないという経験を積み上げていくことで、症状を和らげるというものです。
とはいえ、急には治りません。
症状の軽いものから手をつけて、徐々に回復に向けて取り組む根気も必要になります。
家族や周りの人の接し方
家族や周りの人は、強迫性障害の行為に対し、手伝ったり同調するのはよくありません。
また本人が同じ行為を求めてくる場合もありますが、できるだけつき合わないようにする方がいいと思います。
ただし、逆に行為を責めるのもよくありません。
本人は自分が普通の状態でないことは分かっています。
そして一刻も早く治したいとも思っています。
その苦しみを理解し、治したいという本人の気持ちを尊重するとともに、治そうという意欲をさらに上げるような声かけをすると励みになります。
まとめ
今回は、強迫性障害についてお話ししましたが、いかがだったでしょうか。
何度も言いますが、強迫性障害は「誰にでもある行為」が度を越してしまうと、気が狂いそうになるくらいの苦しみになるというものです。
克服するには、本人も相当な努力が必要なのですが、それとともに周りの人の支えも必要とします。
この記事を見ていただいた方が、1人でも早く治療に結びつき治ってくださることができれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。