こんにちは、まぁです。
公務員は一般的に年功序列と言われますが、地方公務員の世界でもやはり出世する人と出世しない人はいます。
では、出世する人としない人にはどんな差があるのか、公務員にとっての出世とは何なのかについてお話ししたいと思います。
地方公務員にとっての出世とは?
僕が経験した中で感じた地方公務員の出世とは、「承認欲求の極み」だと思います。
少し難しい言い方かもしれませんが、「マズローの自己実現理論」の中の「承認(尊重)欲求」です。(低いレベルの尊重欲求)
つまり人からの尊敬や羨望のまなざしをもらうことへの喜びです。
地域にもよるかもしれませんが、田舎の方では役所で出世していると、「〇〇さん、4月に市役所で総務の部長になられたんだって!」と噂されたり、地方新聞に出たりします。
最初はそんなことを求めていなかったとしても、そこそこの地位になると大抵の人はこの欲求が出てくるのではないかなと思います。(それを否定も肯定もしませんが)
地方公務員の出世の階段
僕が勤めていた市役所でいうと、入職してからの役職の階段はこんな感じです。
主 事
↓
主 任
↓
主 査
↓
係 長
↓
課長補佐
↓
課 長
↓
副部長
↓
部 長
上の世代にどれだけ人がつかえてるかにもよりますが、部長になるのがだいたい55歳くらいです。
その中でもトップ中のトップが総務または企画の部長です。
出世する人としない人の収入の差は?
民間企業では、同期で出世した人としなかった人とで、収入差が2倍くらいあるという話を聞きます。
では、地方公務員ではどうなのでしょうか?
総務省の平成30年地方公務員給与実態調査結果によりますと、市(指定都市を除く)の56歳~59歳の状況は以下のとおりでした。
また、ボーナスを4.5ヶ月と仮定して年収にも換算してみました。
(この数字には手当は含まれてませんので、実際の月収・年収はもっと多いです。手当を含むとさらに差が大きくなるのではという意見もあるかもしれませんが、時間外手当(残業代)は基本的に管理職は出ないので、そこそこ残業していれば同等もしくは管理職になっていない人の方が多い場合もあります。)
部(局)長及び相当職 443,118円/月 7,311,447円/年
課長及び相当職 412,266円/月 6,802,389円/年
課長補佐及び相当職 394,967円/月 6,516,955円/年
係長及び相当職 384,802円/月 6,349,233円/年
その他職員 369,735円/月 6,100,627円/年
このように、一番最上位の部長と最下位のその他職員の年間給料の差で見ると、約120万円となります。
確かに120万円は大きいのですが、最下位の役職にいても最上位の給料の83%もらえるのです。
これは僕の感覚では、仕事の範囲、量、責任の重さで考えると、役職のない職員の方がめちゃくちゃお得です。
それでも出世したいと思う訳
このように、収入アップが目的で出世を求める地方公務員はほとんどいないと思います。
あまりに割が合わなすぎます。
では、それでも出世したい人がいるのはなぜか?
最初に述べたように、承認欲求の極みなのですが、公務員は特に承認欲求が強いからです。
公務員は、ノルマがあるわけでもなく、利益を生み出すわけでもないので、個人の成果が見えにくい仕事です。
唯一と言っていいほど成果の指標となるのが「役職」なのです。
若いときは僕もそうでしたが、出世したいというよりは、同世代の人に負けていないという自信を持って仕事をしていたので、その客観的指標として役職を求めていました。
がんばってない人と給料がほとんど変わらないので、そこを自分の拠り所にするしかなかったのかもしれません。
僕は、本格的な出世争いの波に入る直前で辞めてしまったので、ここから先は想像でしかありませんが、おそらくそれがエスカレートして、どんどん「人から認められたい」という欲求が強くなっていきながら、公務員としてのクライマックスを迎えていくのだという気がします。
最後に
地方公務員の出世についてお話ししてみましたが、みなさんはどのように感じられたでしょうか。
僕が最後に言いたいのは、これまで出世闘争をして、いわゆる「勝ち組」になった人、「負け組」になった人を見てきましたが、その人たちが退職した後どうなるかというと、「ただの人」になるだけです。
勝ちも負けもありません。
現役時代に必死になって出世しても、定年した後は結局地域に戻るのです。
そう思うと、何のためにそこまでがんばるのか?
仕事を終え方というのは、それまでの人生、そしてその後の人生を占う意味でも重要です。
あなたにとって、どのような仕事上での生き方がいいのかの参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。