地方公務員の考え方・思考

市役所の議会対応のリアルな裏側【地方公務員から見た議会】

 

こんにちは、まぁです。

国会と同じように、各都道府県や市区町村にも地方議会と呼ばれるものがあります。

条例や予算などの議決を行う場であり、とても重要な役割を持ちます。

今回は、議会の制度などの説明ではなく、市役所の職員から見た議会という少しマニアックな内容についてお話しします。

市役所の職員が、議会中どんな動きをしているのか、どんなことが起こっているかが分かると思います。

 

 

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市役所の職員が行う議会対応って何?

市役所の中で、総務課や議会事務局といった、議会を運営する側の部署は除いて、主な議会対応と言えば一般質問に対しての本会議答弁と、予算審議などを行う委員会答弁になります。

本会議答弁は市長などの特別職もしますが、職員では部長級が行い、委員会答弁は課長級が行うのが一般的です。

 

一般質問のリアルな裏側

まず一般質問は事前通告されるので、どんなことを聞かれるかが先に分かります。

通告された質問内容を確認して、総務課が担当部署に割り振りをするのですが、どこの部署か微妙な場合は部署間で調整します。

そこでは責任のなすりつけ合いという、醜い争いがあるのですが笑

 

答弁をするのは、質問内容のうち特に市政にとって重要な部分は市長・副市長などの特別職が行い、それ以外の答弁を部長級が行います。

しかしながら、答弁書の原案を作成するのは管理職ではなく、たいてい係長以下の担当者です。

原案を作ってから、課長→副部長→部長と添削し、最終的に市長や副市長が確認します。

答弁書の締め切りまでのスケジュールがタイトなので、これらの作業は質問の多い部署だと深夜や休日にも及ぶこともあります。

僕は危機管理部署にいたときに、阪神・淡路大震災が発生し、直後の議会で全議員から質問の集中砲火を浴びて、2日間徹夜したこともあります。

 

管理職の添削ですが、普段の決裁とは比べ物にならないぐらい真剣に見て、ペンで真っ赤に修正された原稿が担当者に返ってくるなんてこともしばしばあります。

担当者は思いが強く答えをはっきりと書きがちで、一方の管理職はそれを冷静に抽象化するように修正していくというのが、よくあるパターンではないかと思います。

 

一般質問は事前通告なので、儀礼的と言われることもありますが、実際には再質問や関連質問といった、原稿なしの場合もあり得るので結構ピリピリします。

 

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委員会のリアルな裏側

委員会は常任委員会、議会運営委員会、特別委員会があります。

委員会は一般質問と違い事前通告はないので、まさにガチンコと言えるでしょう。

さらに、一般質問より細かな質問も飛び交うので、その対応は難しいです。

ただ事前に質問内容が分からず、また細かな部分も聞かれるので、答弁内容が少しぼやけたものになりやすいという側面もあります。

市役所側も事前に想定したQ&Aを綿密に作成したりもするのですが、僕の経験上あまり当たった試しがありません笑

 

複数の議員からの様々な質問に対応しなければならないため、管理職の対応能力が見極められる場にもなります。

それが場合によっては、人事の査定にも影響するのではないかと僕は思っています。

コントみたいな話ですが、議員の質問に対し部長が後ろを振り向き、見られた課長がまた後ろを振り向き、見られた1番末席の係長がオロオロするという光景を、僕は実際見たことがあります。

 

市役所側は防戦一方

議会では終始、議員が質問し市役所側が答えるという構造なので、議員が一方的に攻めて市役所側は防戦一方になります。

武器を持たずに盾だけで戦えと言われているようなものです。

 

管理職の人たちが、議会に対してピリピリするのも分かります。

 

まとめ

今回は市役所の議会対応のリアルな裏側について、お話ししましたがいかがだったでしょうか。

議会は、市民の代表である議員が、市の考え方を聞き取り、意思決定をするという大切な場です。

市民の側からすると、答弁がぼやけてて分かりにくかったり、歯がゆかったりすることもあるかもしれません。

しかし重要な場であるが故に、無責任なことは軽々に言えないし、それぞれの発言にはとても重みがあるため、慎重にもなります。

市民の方には、そのあたりの事情は汲んだうえで聞いていただきたいですし、だからこそ市民の代表を選ぶ選挙に興味を持ち、積極的になってほしいと思います。

また市役所側は、防戦一方で議会を切り抜けることが優先されがちになりますが、そこだけに意識を取られるのではなく、市民のために『こうありたい』『こうすべき』という揺るがない信念を持って、議会に臨んでいただきたいと思います。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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