こんにちは、まぁです。
近年、「女性活躍」や「ダイバーシティ」という言葉をよく耳にします。
また、「えるぼし認定」という言葉をお聞きになった方もおられるかもしれません。
2015年に女性活躍推進法が施行され、女性が働きやすい環境が整えられているのですが、それを推進する立場である市役所はどうなのでしょうか?
今回は、市役所は地方公務員の女性にとって働きやすく、またキャリアアップできる環境になっているのかなどの実態についてお話ししたいと思います。
【結論】まだまだ道半ば
地方公務員の課長相当職以上に占める女性の割合は、以下のようになっていて、市区町村では2019年で15.3%となっています。
この数字が高いか低いかは別として、年々上昇傾向にあります。
しかし、実態として女性が働きやすく活躍できる職場になっているかというと、まだまだ発展途上にあると思います。
具体的に何が問題なのかについて、説明していきます。
女性活躍に向けた法律など
問題点の前に、少し歴史的な経過を見ます。
近年の日本の女性の働き方に影響する法律等の変遷は、以下のとおりとなります。
1986年 男女雇用機会均等法
1991年 育児介護休業法
1999年 男女共同参画社会基本法
2015年 女性活躍推進法
1990年代から、地方自治体でも女性の活躍を推進する部署ができはじめました。
僕が入庁したのは1990年なのですが、その頃はお茶くみ、机ふき、灰皿の片付け、コピーなどの雑用と呼ばれるものは、女性の仕事でした。
それらの悪しき慣習がなくなっていったのは、1990年代後半だったように思います。
女性活躍の阻害要因(家庭内)
結婚すると、家事や育児、介護などは女性がするものという考え方は、まだまだ根強く残っています。
最近ではイクメンという言葉がよく使われますが、僕からすればイクメンと言っている時点で、「妻が本来すべきことを代わりに夫がしてあげていますよ」と言っているようなもののようにとれます。
夫として、父親として当たり前のことを当たり前にしているだけという意識に変わればと思います。
実態としてですが、今でもまだ出産や子どもの入学、親の介護のタイミングで女性の方が退職するというケースは多いです。
女性活躍の阻害要因(職場内)
数字ありきの昇進
国が策定する男女共同参画基本計画などで、女性の職場内での立場を向上させるために数値目標が掲げられました。
これにより、女性の昇進が一気に進んだことは間違いありません。
しかし、一気に推し進めたがために歪も生じました。
市役所では、それまでコピーや庶務的な仕事しかさせてもらえなかった女性が、いきなり答弁書を作れとか部下を指導しろとか言われるようになりました。
酷な話です。
できるわけがありません、そういう教育を受けていないのですから。
無理やり昇進させて働きが悪かったら、結局「やっぱりか」と言われて評価を落とすことになります。
時代背景的にも仕方なかったのかもしれませんが、本来は管理職になるための教育を時間をかけて行うことの方が近道だったように思います。
僕がいた市役所では、仕事ができる女性ほど一生懸命になり、悩み苦しまれて限界がきて早期退職されるパターンが多かったです。
僕はそれが残念でなりません。
年月が経ち、徐々に女性にも管理職になるための教育などが進むようになり、僕の感覚では今の40歳前後ぐらいの人からは、そのような重圧を感じることなく仕事に取り組めているのではないでしょうか。
ハラスメント
ハラスメント、特にセクハラ、マタハラ、モラハラといったハラスメントは、女性が被害を受けやすいです。
そして、ハラスメントをする側は男性が多いです。
ここから見ても、まだまだ男性が潜在的に女性を軽視する意識が根強く残っていることを物語っています。
ハラスメント問題は、人権を尊重するための教育が徹底されているはずの市役所でも、残念ながら存在しています。
ハラスメントをなくすには、職場内だけでの教育ではなくなりません。
個人の子どものころから培われてきた意識の中に潜むものですから、家庭教育、学校教育そして職場内教育すべての場面において推し進めていかないといけない問題だと思います。
そうすれば、先ほどの家庭内での役割の問題なども解消していく一歩になるのではないでしょうか。
まとめ
今回は、市役所における地方公務員の女性活躍推進の実態と課題についてお話ししました。
僕の個人的な見解ですが、女性の地位を向上させるためには一定必要性は感じるのですが、今後に向けて女性という性別だけで一括りにするのはどうなのかと思います。
男女問わず、個々に思想や考え方、仕事をするうえでは能力も違います。
あまり声高に叫び続けると引く人や反発する人も出てきます。
男性でも女性でも、キャリアアップしたくない人はいます。
育休はどうしても取って、子どもの成長を見届けたいという人は女性の中にもいるでしょう。
個人の考えを尊重する中で、活躍したいと思う女性が思う存分実力を発揮できる職場が早くくればいいなと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。