こんにちは、まぁです。
市役所で働く職員の中には、いわゆる事務の仕事をする一般行政職と言われる職種のほかに、土木や建築などの設計などを行う技術職や、保健師や保育士など資格系の職員など様々な職種の人が働いています。
今回は、その中で資格系地方公務員にスポットを当ててお話しします。
ただし、病院や保育所などの現場で働く方ではなく、市役所内で働く資格系地方公務員の内容になっています。
Contents
資格系地方公務員とは?
資格系地方公務員とは、資格や免許を持って公の業務を行う人を指します。
そして、それぞれの資格や免許に応じたスキルを発揮できる部署に配属されます。
多くの市区町村で配置されている、市役所で働く資格系地方公務員は主に以下のとおりです。
福祉系・・・保健師、保育士、社会福祉士、精神保健福祉士など
教育系・・・幼・小・中学校教員、司書、学芸員など
資格系地方公務員は体育会系?
資格系の職員は一般行政職の職員に比べると、専門性が高いので出身校が同じだったり、バックボーンも近かったりします。
そういうところからも、先輩後輩の関係がしっかりしていると言えます。
僕の経験上で個人的見解ですが、特に保健師は異動する部署が限られていて一定の人数が同じ部署にいる。そして一緒に仕事をする期間も長いので、より一層その色合いが強く見えました。
資格系地方公務員は出世できる?
まず保育士や幼・小・中学校の教員は、メインで働く場所が市役所ではなく現場になります。
市役所にずっといるわけではなく、出向的な意味合いで一時的に市役所にいるだけなので、市役所内での出世というのはありません。
ただし市役所に異動になるということは、その職種で出世の見込みのある人が多く、いわばエリートコースになります。
例えば学校で学年主任をしていた人が、教育委員会に来れば現場に戻るときは教頭先生に、教頭先生が教育委員会に来れば現場に戻るときは校長先生にというパターンが多いです。
また保健師や社会福祉士などの福祉系の職員は、市役所内での勤務がほとんどになりますが、所属する部署が限られているので、一般行政職に比べると出世の道は狭く厳しいと言えます。
そこそこ仕事のできる人で課長まででしょうか。
可能性としては、福祉部局の部長や副部長もあるのですが、かなり厳しいのではないかと思います。
一般行政職と仲が悪い?
一般行政職の職員と資格系の職員では、様々な点で違いがあります。
そのことから、衝突する場面をよく見ますし、僕自身も経験しました。
ただし、仲が悪いというわけではありません。それぞれのスキルや経験から考え方が異なるというだけです。
その理由について、考えてみました。
プライドの差
一般行政職の職員は、基本的に庁内・庁外問わず色々な部署に異動するため、幅広い知識を必要とされます。
1つの部署でそんなに長くいることはないので、知識の深さや経験を習得する前に異動してしまうとも言えます。
一方、資格系の職員は、学生の頃からその道について勉強し、就職してからも1つの仕事に長く就くことが多いので、知識も十分で経験を積んできたという自負があります。
そのため、異動したての一般行政職の上司や同僚に意見されると、もしかするとしゃくに障るのかもしれないし、一般行政職側も幅広い経験をしてきたプライドがあります。
プライドの差というか、プライドの質が違うんでしょうね。
感情移入の差
福祉部局や教育部局では、対個人との関わりが多いです。
特に生活面で限界にきているケースにも出くわすことが多く、その時に資格系の職員の方がその道を貫いてきた部分もあり、感情移入しやすい傾向があります。
逆に一般行政職の職員は、制度に基づき粛々と進める傾向があります。
市民の目から見ると、やさしく気持ちの熱いのが資格系の職員で、冷酷なのが一般行政職の職員というふうに見えるかもしれませんね。
僕個人の意見としては、どちらがいいとか悪いとかではなく、やさしい気持ちがあっても公務員である以上、制度に基づくのは当たり前だし、制度があるからと胡座をかいて杓子定規なことばかり言うのも違うと思います。
あくまで市民のために働くのが本来なので、どちらの職種もバランス感覚を持ちながら最大限の努力を惜しまないことが大切です。
ミクロとマクロの差
感情移入とも関連するのですが、資格系の職員の方が個人と関わる機会が多いので、制度設計や計画策定をする際にも、その色合いが強くなります。
一般行政職の職員は、個を見るというよりは、地域や市民全体といった広い単位で見ることに長けているので、そういう見方が強いです。
まとめ
今回は、資格系地方公務員についてお話ししましたが、いかがだったでしょうか?
市役所の内部のことが多かったので、地方公務員の方以外には分かりづらかったかもしれません。
資格系の職員も一般行政職も、それぞれに持ち味があります。
僕は現役時代、常々『資格系の職員は市全体を見る広い視野を、一般行政職の職員は専門性を高める意識をそれぞれが学ぶべき』と言ってきました。
お互いに歩み寄りができ、融合できれば素晴らしい行政が展開できると思うので、今後の現役職員のみなさんの活躍に期待して応援していきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。