こんにちは、まぁです。
市役所にはたくさんの部署があり、それぞれで仕事内容もぜんぜん違います。
そこで、課ごとの仕事の内容を説明しながら、出世率や激務度についても触れていきたいと思います。
部や課の名称や課の編成については、市区町村により異なりますので、ご了承ください。
今回は、健康福祉部編です。
生活支援課
出世率: (3 / 5)
激務度: (3 / 5)
福祉業務の中で1番根幹にあたる屋台骨的な部署です。
時代の流れとともに貧困の背景は変わってきているのですが、近年ではバブル崩壊やリーマンショックなどに起因する景気の低迷や超高齢化により、生活保護世帯は増加してきています。
厚生労働省|生活保護の被保護者調査(平成 30 年度確定値)
ケースワーカーと呼ばれる職員は、社会福祉士などの専門職もいますが、一般行政職の方が多いと思います。
ケースワーカー1人が受け持つ標準世帯数は80世帯とされていますが、地域によってはもっと多くの世帯を受け持っている人もいます。
近年は貧困の原因が多様化していて、ケースワークも難しくなってきています。
また、2015年から生活困窮者自立支援法という法律が制定され、その業務に携わる係もできているので、そことの連携も重要になってきます。
生活保護の業務は、高齢者・障害者・母子など福祉のあらゆる制度に精通していなければならないため、幅広い知識を必要とします。
障害福祉課
出世率: (3 / 5)
激務度: (4 / 5)
名前のとおり障害者の方への支援を中心に行う課です。
障害者制度はとにかく細かいです。
障害は、大きく分けると身体障害・知的障害・精神障害の3つに分かれるのですが、それに関わる制度は障害の等級やベースとなる疾患などにより、細かく定められていて覚えなくてはいけないことが非常に多いです。
また近年、国の制度改正が頻繁に行われてきました。
障害者の方、ご家族の方はその度に制度に振り回されてこられたので、職員が異動してきたばかりなので分からないとは言えません。
過去からの経緯も含めて把握する必要があります。
高齢福祉課
出世率: (3.5 / 5)
激務度: (4 / 5)
超高齢社会になり、業務量はどんどん増えている課です。
高齢化の問題は、現在では福祉だけの問題ではなく市政全般に及ぶ問題となっていて、国の推計値でも今後約40年は高齢化率は上昇し続けると言われています。
介護が必要な高齢者にかかるサービスは、基本的に介護保険制度がありますが、それ以外の独自の施策を考えていかなければなりません。
また高齢者の総合相談窓口である地域包括支援センターの機能充実や、地域包括ケアシステムと呼ばれる地域づくりも大きな業務になります。
社会保障費を少しでも抑制していかないと、国や地方公共団体の財政が破綻する危機に陥っている中で、介護が必要になるのを少しでも遅らせるための介護予防事業に力を入れている市区町村が多いです。
健康福祉部の他の課と比べて、法律に基づくよりも自治体独自の政策を進めることが多い課なので、政策立案能力を必要とする職員が一定数必要になります。
介護保険課・保険年金課
出世率: (3 / 5)
激務度: (4 / 5)
一般的には別々の課のところが多いと思います。
介護保険料や国民健康保険料の決定や給付の管理が主な仕事になります。
またそれ以外にも、介護保険課では介護サービス事業所の指定業務や要介護認定業務があり、保険年金課では国民年金の加入などの業務があります。
どちらの課とも、高齢化に伴い給付額が上昇の一途をたどっていて、それに伴い保険料も上げざるを得ない状況にあるのが大きな問題です。
国の制度も定期または不定期に行われるので、その度に市の制度や計画も見直さなければなりません。
健康推進課
出世率: (2.5 / 5)
激務度: (4 / 5)
保健師の職員が中心となり業務を行っている課です。
業務内容は、感染症の予防や予防接種、生活習慣病予防など、この課の業務範囲も広いです。
また自殺対策や昨今の新型コロナウィルス感染症対策など、緊迫した業務にも携わらなければなりません。
昔は乳幼児健診や高齢者訪問など市民と保健師が直接ふれあう業務が多かったのですが、近年は多くの市民とふれあう機会は減り、保健師も計画策定や企画立案業務などに携わる仕事が増えてきました。
まとめ
今回は市役所の健康福祉部についてお話ししましたが、いかがだったでしょうか。
これまで福祉の仕事は一部の人が利用するもので、職員からすると仕事の大変さに比べて出世コースであるわけでもなく、いわゆる『外れくじ』と言われてきました。
しかし、人口構造や社会情勢の変化に伴い、福祉施策を必要とする人が年々増加し、地域の中でも一部の問題であったことが、まちづくりにおける中心の問題となっています。
市の予算の配分割合も、昔は公共工事などの建設費中心だったものが、今や福祉施策の民生費の方が圧倒的に多いです。
今回は紹介していませんが、それぞれの課の中に政策部門を設置している市役所も増えてきています。
現代の市役所では、ある意味花形の部署となり、優秀な人材も配置されています。
それと僕が思う福祉業務のやりがいは、何と言っても『ありがとう』の言葉です。
市民の個人情報も含めた生活そのものに直結する問題に携わるので、行政の判断が生活の基盤を揺るがすこともあるし、もっと言えば命に関わることもあります。
それだけに、うまくいったときに相手から言ってもらえる『ありがとう』には、他の部署では味わえない重みがあります。
それこそが、市役所の中でやりがいがある部署であるとした最大の理由であり、また醍醐味でもあります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。