こんにちは、まぁです。
新聞やニュースでは、よく霞が関の縦割りがどーたらこーたらって言われますよね。
縦割り行政とは、簡単に言うと各部署間で縄張り意識が強くて、うまくいかないことが起こって、結果住民に不利益が生じるということです。
これは国だけに限らず、都道府県や市区町村でも、同じように縦割り行政が行われています。
行政の縦割りを打開するために、最近横串を刺すという表現がされます。
部署を横断してって意味ですね。
今回は、市役所内の縦割り行政を見直そうとしてもできない3つの邪魔(理由)についてお話しします。
法律が邪魔をする
行政は基本的に法律に基づいて仕事をします。
そして、その法律ごとに仕事がしやすいように、国の省庁は編成されています。
そして市役所などの地方公共団体は、その法律や省庁に準じて組織を編成しています。
しかし、仕事をしやすくするための法律や組織編成が、逆に縦割り行政を助長し、邪魔をしているのです。
もう少し具体的に言うと、近年はいろいろな課題が複雑化してきています。
例えば、高齢化が進んできて高齢者の交通対策の施策を国土交通省が打ち出したとします。
その制度が、国土交通省から下りるので、市町村では交通政策課とかの担当になるのですが、「高齢者施策でもあるから高齢福祉課も考えてよ」と言うと、「国交省からの通達なんだからそっちでやったらいいだろ」みたいに言い合いが始まるみたいな感じです。
しょーもなって感じですね笑
組織の壁をなくしていこうという機運でいうと、国の方があって、国→都道府県→市区町村という感じがします。
忙しさが邪魔をする
なかなか経験をしていないと信じてもらえないかもしれませんが、市役所の仕事は一部の部署を除いて、ほとんどの部署で結構忙しいです。
日々の業務や議会対応に追われ、組織の壁を越えて物事を考える余裕が、時間的にも精神的にもありません。
縦割り行政を見直し横串を刺すには、先ほどの法律の話に戻りますが、法律と法律の間に隙間があります。
そしてその隙間を埋めなければ横串が刺さらず、そのためには相当の労力が必要です。
一定数の職員は、縦割り行政を見直さなければならないと思っているのですが、一歩踏み出すことで、とんでもなく仕事が増えるかもという不安から踏み出せない部分はあると思います。
忙しい理由についてですが、昔と比べて業務の効率化は図られているはずなのに、市役所の仕事は増え続けています。
これは、市民にいい顔をして、何でも言うことを聞いてきたツケであり、政治家や行政幹部の責任でもあります。
やめるとかできないという選択は、もっと積極的にするべきだと思います。
あと議会や議員対応ですが、それが理由で仕事が進まないのは本末転倒です・・・が結構時間とられます。
横断的な対応を積極的に進めるべき議員が、邪魔をしていたんでは話になりませんね。
僕の感覚ですが、本来は日常業務と横串を刺すような政策立案業務との比率は、6:4か7:3はほしいところですが、現状は9:1いや1もないかもしれません。
モチベーションの低い職員(特に管理職)が邪魔をする
いくら若い職員がやる気を出して、縦割り行政を少しでも見直そうとしても、そもそも横串を刺す気もない管理職が難癖をつけて邪魔をします。
僕も言われた経験があるのが、次のようなものです。
「本来業務もできてないのに、何で新しいことするの?」
「何でそれ、うちの課からよその課に言わないといけないの?」
「今しなくてもいいでしょ」
みたいな感じです。
僕は「うちの課は」という人は嫌い、というか嫌いなイメージがついてしまいました。
「うちの」という表現は、部や課ではなく市レベルで初めて使ってほしいです。
市民にとっては、どの部もどの課も同じ市役所ですから。
あとやる気のない管理職の人は、責任を負いたくないので、主担当と副担当が大好きです。
主担当はやりたくないけど、副担当は喜んでする。
結局ほとんど主担当がやって副担当は何もしない・・・市役所あるあるです。
そして、若い職員のモチベーションはどんどん下がり、市役所への情熱が消えていくパターンになります。
職員のモチベーションについてはこちらで詳しく書いています。
まとめ
市役所の縦割り行政が見直せない理由は、以下の3つが邪魔のせいと僕は考察しました。
POINT
①法律が邪魔をする
②忙しさが邪魔をする
③モチベーションの低い職員(特に管理職)が邪魔をする
要は、意識の問題と業務内容・量の問題だと思います。
まず業務を見直して、必要ないものは廃止する。
民間や地域でできることはしてもらうことです。
「税金払ってんだからやれよ」とか「お前ら公僕だろ」とか「行政の怠慢だ」とか言う人もいると思います。
それに対して、はっきりとできないと言って、丁寧に話し合うことこそが説明責任だと思います。
でも、それは一般の職員にはできません。
市長や部長クラスのリーダーの責任ですべき役割です。
そして、業務内容と量の見直しをした結果として、職員の意識の改革につながっていって、横串を刺そうという機運が高まってくるのではないでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。