市役所の仕事内容

市役所の窓口業務がつらいわけ【5つの理由を元職員が解説】

 

こんにちは、まぁです。

 

市役所と言えば、一般の方がまず思いつくのは住民票などを交付する窓口を思い浮かべられるのではないでしょうか。

市民の方が来られることが多い市民課や保険年金課といった部署は、だいたい市役所の1階や2階にありますが、その他にも道路課や建築課なども来られることがあり、ほぼすべての課に窓口はあります。

 

市役所の窓口業務のイメージとしてよく言われるのが、対応が遅い、手続きが複雑で分かりにくい、職員の対応が冷たく愛想が悪いなどです。

 

一方で職員側からは、苦情ばっかり、怒鳴りつけられる、ストレス発散に来ているのではないかなどという意見を聞きます。

 

どこの世界でも、お客さんを相手にする仕事のつらさはあると思うのですが、今回は市役所特有の原因についてお話しします。

 

 

 

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市役所の窓口業務がつらいのはなぜ?

僕が考える市役所の窓口業務がつらい理由は以下の5つです。

1.市民はそもそも来たくて来る人は少ない
2.法律に縛られるので、できないことが多い
3.「税金で食べてるくせに」という感覚があるので、満足感が得られにくい
4.たらい回しにされる
5.市役所側の問題点

それぞれの中身についてご説明します。

 

市民はそもそも来たくて来る人は少ない

市役所というところに来る用事というのは、主に①証明書の交付、②出産や結婚などの届け出、③相談、④苦情、⑤要望です。

 

何かほしいものを買いに行くわけでもない、映画館や遊園地のように楽しむこともない。(出生届や婚姻届など楽しみなものも中にはありますが)

職場などから証明書を取るように言われたとか、自分や家族に戸籍を変更するような事態が起きたとか、困りごとができたとか、仕方なく来られる人が多いです。

そこで、おいしいラーメンを食べるためなら行列にも並びますけど、仕方ない用事で待たされたらイライラもしますよね。

 

法律に縛られるので、できないことが多い

市役所で手続きするときに、書類の不備や家族が代理で行っても委任状がないとダメとか言われて帰らされることが多いですよね。

 

それは1つは法律や条例などで細かい部分まで決めごとがあることと、もう1つはその決めごとや文言が難しくて複雑だからです。

それらを説明するパンフレットなどもあるのですが、それすらも細かくて難しいです。

 

なぜなら、それはあらゆる可能性を想定して書いておかないと、違う苦情につながるからです。

また、書類や添付書類、手続きできる人を簡素化してしまうと、犯罪に利用される可能性があるので、それを防ぐという意味合いもあります。

 

たまに、苦情を言っておられる市民が「おっしゃるとおり!」と思うような意見を言われる場合もあるのですが、それでもダメだと言わなければいけないので、そういうときはさすがに気が引けました。

 

「税金で食べてるくせに」という感覚があるので、満足感が得られにくい

すべての人とは言いませんが、市民の心の中に「市役所は倒産しないからいいよな」「税金から給料出るから、下がる心配ないし」とかいう感情は少なからずあると思います。

 

それがつい、イラっとしたときに言葉にでるのではないでしょうか。

僕も職員時代、「税金で食わせてやってるのに、エラそうなこと言うな」みたいなことは、よく言われました。

 

確かにおっしゃるとおり、人件費も紙代もパソコン代もすべてそうなので、言い返すことはできなかったのですが。

 

それと1つ不思議なのですが、窓口業務のアンケートをとっている市町村はたくさんあるのですが、結果を見るとどこも90%以上が満足かおおむね満足となっています。

実際現場に立っていた感触でいうと、そこまで満足してもらっている感覚はないですね。

 

 

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たらい回しにされる

これもよく聞く話です。

 

ただ、これに関しては簡単に解決できる話で、事前につなぐ課に電話して担当者の名前を聞いてお客さんに伝えるか、自分も一緒にその課に行って事情をすれば済む話です。

 

最近はそんなことはないとは思っているのですが、いまだにあるならそれは職員の怠慢ですね。

 

市役所側の問題点

これまでは、制度の問題や市民側の感情についてでしたが、職員や市役所側にも原因があります。

 

すべての責任を制度や市民側にあると思い込み、自らを律しないのは結果的に窓口業務をつらくさせ、自分の首を絞めているだけです。

 

OJTに頼りすぎ

市役所の窓口業務に関しての研修というのは、あまりにも少ないように思います。

 

基本、現場で学べ(OJT)というスタイルです。

接遇などの基本的な研修は若い頃に受けたりもしますが、それぞれの課でマニュアル化するような努力や対応の仕方の研修は少ないと思います。

課によって、証明発行の多いところ、相談の多いところなど必要となる専門知識も違います。

 

よく市役所は対応が冷たく、愛想が悪いと言われます。

確かに何十年も前は、平気でため口で話す職員や足を組んで話すなど、横柄な態度の職員もいましたが、今はそんな職員はいないし(と祈りたい)、愛想もずいぶんよくなりました。

ただ、一部にまだ事務的な対応をする職員もいて、これもまた研修不足が影響していると思います。

 

また、窓口業務が主となる課では、その大半を臨時職員(会計年度任用職員)が対応します。

臨時職員(会計年度任用職員)の見本となり、適切な指導をするためにも、正規職員がしっかりとしたスキルを持つことは重要です。

 

「全体の奉仕者」の意識はあるか

憲法第15条で「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」と定められています。

 

一部の市民は、いいように解釈して「何でも言うことを聞くのが公務員だ」みたいに言う人がいますが、それこそ一部の奉仕者になりかねない考え方で、ダメなものはダメと毅然とした態度をとることは必要です。

 

しかし、逆に職員は本当に全体の奉仕者という意識はあるのでしょうか

例えば、窓口でできないという答えを伝えるときに、安易に断っている職員もいます。

本当にダメなのか、他に解決する方法はないのか考え努力する人は、まだまだ少ないです。

 

4月の異動

4月は窓口業務、転居などの手続き関係の窓口は繁忙期です

 

でも市役所は4月に異動があります。

 

当然のごとく、混乱します。

 

不慣れな職員が多いから、時間はかかる、説明できない、間違うリスクは高いと市民にとってのメリットは何一つないと言ってもいいと思います。

これは別に変えようと思えば変えられるものです。

辞令は出しても、当面は兼務で対応するなど臨機応変さがほしいと思います。

 

最後に

今回は、市役所の窓口業務についてお話ししましたが、いかがだったでしょうか?

 

市役所の窓口は特殊な面もあり、なかなか変えられないこともあるのですが、組織や個人で変えられることもまだまだたくさんあります。

 

市民の方は普通のお店は選べますが、市役所は選べません

また、市役所も市民を選べません

どうせなら、来ていただいた方に、気分よく返っていただく方がどちらも気持ちいいのではないでしょうか。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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